タカアキ先生!こんにちは!じゃなかった、チャオ!
チャオ〜!ぬまるくん!そう挨拶はイタリア語でね!(笑)
そうでした!タカアキ先生の陽気な性格は、17年間のイタリア生活で育まれましたもんね。
うんうん、前回はそんな話も少ししたよね。
はい、そして第1回目だった先月は「どうして蜂が蜜を作るの?」というテーマで、はちみつはミツバチたちにとって冬の大事な保存食にもなるという話と、ミツバチがその栄養価と保存性をどうやって高めているかという驚くべき生態を学びました。
そうだね。ミツバチの持つ能力ってほんとすごいでしょ!?
はい、まだ少し話を聞いただけですけど、花蜜の糖分を酵素で分解しながら糖度を高めるなんていう特殊技能をどうやって身に付けたんだろうと思って、ほんと不思議だなと思いました!
ふふふ、いいねー!いい感じではちみつの世界に沼ってきているね。
はい、足首くらいまで浸かりはじめました!(笑)
さて、前回の話の中で「ミツバチ1匹が一生で集めるはちみつの量はティースプーン1杯分くらい」という話が衝撃だったのですが、それしか採れないものを人間がいただいてしまうのは少しかわいそうかなって・・・
うん、一見そう思ってしまうよね。でも実は、かわいそうという訳でもないんだよね。
それはどういうことですか?
じゃあまず、はちみつがどこに溜められるかっていうことからおさらいしようか?
はちみつは巣の中の六角形の部屋に集められて、水分を飛ばして濃縮した後で蓋をされるんでしたよね!
うん、そうだね。その一つ一つの部屋を「巣房(すぼう)」って言うんだけど、巣房にはもう一つ役割があるんだけど分かるかな?ぬまるくん、前に養蜂場を案内した時に巣の中を見たよね。あの時を思い出してみて。
なんだったかな・・・あっ、子どもを育てるのもその部屋でやりますね!
そうなんだよ。女王蜂は巣房ひとつにひとつの卵を産んで、その部屋で一匹ずつ育っていくんだね。巣房は、貯蔵庫でもあり、育児室でもあるんだ。だから、ミツバチたちは巣箱の中にできる限りの巣房を作りながらはちみつを集めるんだけど、どんどんはちみつが溜まって蓋をされる部屋が増えていくと、最後にはどうなると思う?
赤ちゃんが育てられなくなりますね・・・そうしたら、次の世代が生まれなくなっちゃう!
うん、そうだね。だからそうならないように、はちみつが溜まりすぎている時期にだけ、その分け前をいただくのが養蜂という仕事なんだ。
なるほどー。人間が採蜜してあげることで、巣の中の育児スペースを適度に確保してあげているということですね。
そういうこと!野山に花が沢山ある季節には、ミツバチたちは本能的にはちみつを採れるだけ採って溜め込むんだよね。だから、育児スペースがどんどんなくなっていっちゃう。
なるほど、適切に採蜜してあげることは、ある意味ミツバチたちにとってもメリットがあることなんですね!あれ?でも、もし人間が採蜜しなかったら、その群れはどうなっちゃうんですか?(※採蜜:ミツバチが巣に貯蔵した蜜を採取する作業)
いい質問だね。もし巣の中のスペースが目一杯になってしまったら、ミツバチたちは「巣分かれ」というのを行うんだ。女王蜂がコロニーの3分の2くらいの働き蜂を引き連れて、別の巣を作るために外に出るんだね。その時に巣の中のはちみつも一緒に持っていくんだよ。
へー!一棟の高層マンションがいっぱいになったら、家財道具を持って半数くらいの住民が集団でお引っ越しするみたいなことですね。
うん、そうだね(笑) でもね、そこで一つ大事なことがあって、セイヨウミツバチは、自然環境下では定着しにくいと言われているんだ。
え、そうなんですか!どうしてですか?
セイヨウミツバチは、はっきりとした原因は不明なんだけど、スズメバチやダニなどの天敵に弱くて野生の中ではほとんど確認されていないと言われているんだ。日本では、そういった天敵が少ない小笠原諸島で野生化が確認されているだけになるね。
そういう意味では、巣分かれして自然の中に迷い込まないように、適切に採蜜しながら巣箱の中のスペースを確保して群れを維持してあげることが大切ということですね!納得しました!
だからセイヨウミツバチでの養蜂は「蜂飼い」とも言って、養蜂家それぞれで何十、何百という群れを管理しながら、その中で世代交代を促しながら育てていくんだ。牛や羊と同じで、畜産に近い仕事だね。そのあたりも今後詳しく話そうね。
ちなみに気になったのですが、ニホンミツバチはどうして野生で生きられるんですか?
ニホンミツバチは、その名の通り日本の在来種なんだけど、さっき言ったような天敵にも強いんだ。
あのオオスズメバチにも強いんですか!
強いというか防御策を持っているということだね。オオスズメバチやキイロスズメバチは、たとえ数匹でもミツバチの群れに壊滅的なダメージを負わせることもあるんだ。具体的には、ミツバチだけでなく、巣にいる幼虫や蛹を食べたり、さらにはちみつを奪って自分たちの群れのエサにしてしまうんだ。
なんて酷いことを。。
まあ、あちらも自然界の中で生き残るためだからね。でも、ニホンミツバチは、その対抗策として、何百匹という集団でスズメバチを取り囲み、胸部の筋肉を震わせて内部の温度を45℃くらいまで上昇させることでスズメバチを「蒸し殺し」にするんだ。
すごい技ですね。
熱でやっつけるので「熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)」ということもあるよ。
なんだか少年漫画の必殺技みたいな名前ですね(笑) それは置いておいて、セイヨウミツバチでの養蜂の際はどのようにしてスズメバチ対策をされているんですか?
いろいろな方法があるんだけれど、うちではまずスズメバチの女王蜂が冬眠から目覚めてエサを探して飛び始めたころに、養蜂場近くに「スズメバチトラップ」と呼んでいる誘引性の罠を仕掛けて、コロニーを拡大する前に女王を捕獲してしまうんだ。賢いでしょ?笑
なるほど!前回の話で、スズメバチは働き蜂は冬の前に死んでしまい女王蜂だけが越冬すると仰っていましたよね。だから春に女王を確保してしまえば、養蜂場の周りのスズメバチの繁殖はある程度抑えられるという訳ですね。
そうそう、それでも自然の中だから絶対に居なくなるということはないから、出てきた時には、みんなも子供の時に使っていた虫捕り網を振り回して一匹ずつ捕獲するということもやるよ。それでも毎年、数群〜十数群は、は、スズメバチにやられてしまうんだけどね。
そうなんですね。やはりそのような苦労もされながら養蜂をされているんですね。そうやってお世話をしてあげながら、ミツバチとはまさに共存共栄の関係なのですね。
うんうん、そうなんだ。でもね、もう一つ、僕も今年目の当たりにして驚いたヒミツの話があるんだけど、聞きたい?
なんですか!?それはもちろん聞きたいです!!
それはね、今年うちの養蜂場でセイヨウミツバチを観察していたら、数十匹の集団でスズメバチを取り囲み熱死させるという日本ミツバチの十八番である「熱殺蜂球」をやってのける群がたくさん現れたんだ。
なんと!それはすごいですね!!
これには僕も驚いたね!びっくりしたので他県の養蜂家の友人に聞いてみたら、その人も「うちでも見た」と言っていたんだよ。詳しくは分からないけど、もしかしたら進化して術を身に着けつつあるのかもしれないね。
ミツバチの賢さの一端を垣間見たように思います。人間とミツバチはなんだか近しい存在、というか相性が良い感じがしますね。
うんうん、そうなんだ。ミツバチと人間社会ということで言うと、実は養蜂にははちみつを採る以外にもう一つの大きな役割があるんだ。なにか分かるかな?
う〜ん、ミツロウを作るとかですか?
それも副産物としてはあるけどね、もっともっと大きな役割だよ。
気になります。なんでしょう?
この話はまたとても長くなるからね。また次の回にしよう。それまでに考えてみてね。ヒントは・・・ある科学者が言ったらしい「ミツバチが地球上から消えたら、人類はあと4年生きられるだろうか?」という言葉だよ!
それは気になります!また次回が楽しみです!
お二人とも、盛り上がってますね〜!
天敵と戦うミツバチと人間の共同戦線を知って、こちらも熱くなっちゃいましたよ!
たくさん学んでいたら、お腹がすいてきませんか?今日は美味しいさつまいもが届いたから、スイートポテトを作ってみました!
秋ですね〜!!お腹ペコペコです!
ハニースイートポテト
■材料(5個分)
さつまいも中サイズ(皮付き250g程度)
バター 10g
牛乳 大さじ1
はちみつ 大さじ2(お好みで大さじ1〜3に調整してください)
塩 少々
シナモンパウダー(お好みで)
■作り方
1.さつまいもを2cm程度の輪切りにし、皮をむいて水(さつまいもが浸る程度)をはった鍋に入れる
2.中火で熱し、沸々してきたら弱火で15分。竹串がすっと刺されば火からおろす
※この工程は、600Wのレンジで6分程度でもOK
3.水気をとったら、さつまいもが熱いうちにバターを加え、木べらで切るように混ぜ、さつまいもをできるだけ細かくする
4.すりこぎ棒等でさらに潰す(滑らかな口当たりが良ければ、裏ごしする)
5.かたまりがなくなったら、塩、はちみつ、牛乳を加え、よく混ぜる
※このタイミングで、お好みでシナモンを加える
6.さつまいもを模した楕円形に整えてアルミカップに乗せる
8.トースターで5〜6分焼いて完成
炭水化物とタンパク質を同時に取ると体内のリセットになるので、朝食にもおすすめです。またさつまいもは食物繊維が豊富なので、お通じの改善にも良いですよ!
おっと、最近ダイエットを始めたの、バレてたかな…?